(旧)自立生活センター・昭島の日常

東京都昭島市でひっそりと(笑)活動している福祉団体。地域で暮らす障害者の生活サポートや情報提供、移送サービスなどをやっています。

「わかっちゃいるけど」と「後ろめたさ」

7月25日に、ロービジョンセミナーに午前中だけ参加しました。
ロービジョンとは、弱視も含めた視覚障害の人達の事を指すようです。

 今回のテーマは糖尿病変性網膜症についてでした。眼科医の先生から講義を受けたのですが、眼科の治療は、私たちの想像以上に進化しているようで、白内障なども20年前と比べてものすごく進んでおり、今思えば、私の祖母が白内障の治療を待っている間に痴呆症が進んだ事を思い出すと残念な気がしています。

 特に糖尿病の方は、血圧が高い方も多くいるそうです。そして糖尿病の悪化は生活習慣の改善を怠った結果であり、いつも患者さんは「後ろめたさを感じている事」が特徴だということです。
 しかし、現代社会において、障害を持つ可能性を感じながら生活をしている人は、非常にまれで、障害を持った後に後悔をする事は、どんな障害(本人以外に原因があったとしても)になった場合でも、今の障害者が生活をしにくい状況では、単純に障害を受容し難い故だと思います。

 また、視覚障害には、うつ病の発症率が高かったり、睡眠障害も合わせて持つ人が多いと聞き、いろんな事で生活が送り難くなっているのだと思いました。
 特に糖尿病の多くの患者の方は「摂生をしようと思うが、わかっちゃいるけどやめられない」というのが本音だということです。今回、私と一緒に行った人も、糖尿病予備軍の方なので、大きく同意していたのが印象でした。

 もう一つ印象に残ったお話は、医者は患者の方に「未来の生活の質」の低下を警鐘するのですが、患者の方は、「今の生活の質」の低下の阻止を考えており、お互いの治療の目的が違うことを、覚えている事が大切だということです。

 私もCILの活動の中で、障害者の方から相談を受けますが、「相談をする人」と、「相談を受ける人」の思いの違いがあることを、あらためて思い知らされた講演内容でした。

かば