(旧)自立生活センター・昭島の日常

東京都昭島市でひっそりと(笑)活動している福祉団体。地域で暮らす障害者の生活サポートや情報提供、移送サービスなどをやっています。

車イスか?、車いすか?(その3)

皆様、いかがお過ごしだったでしょうか?
「当事者の日常」担当のKでございます。

さて、前回(10/4)、前々回(9/27)からの続きという事で……。
※詳しくはそちら(その1)(その2)をご覧下さい。


前回は、『「車イス」の英訳「Wheelchair」を直訳すると
「車輪イス」となり「車イス」とは印象が変わる』という様な感想を書きました。

このことをCIL・昭島の代表に話してみたところ、
『「車輪イス」は海外の発想で、「車イス」は日本的な発想ではないか?』
というご意見。

それを受けて、今回は「発想の違い」を知るために、まず「海外の車イスの歴史」を調べてみました。

車いすの前に…
車いす」は「いす」と「車輪」の部分の二つに分けられます。
「いす」と「車輪」の歴史は古く、原始・古代にまでさかのぼります。
長い歴史の中でその「いす」と「車輪」が結合して「車いす」になったのです。


イメージ 1
“いす+車輪”ならば、これらもその中にカテゴライズされるのでは(笑)?
※もちろん、本文と画像は全く関係ありません。



●海外の車いす
1.威厳の象徴
いすには権威の象徴としての意味づけもあり、身分の高い人たちが利用しておりました。
車いすも初めは身分の高い人の移動を目的に作られていたようです。
当時はまさに「いす」に「車輪」が付いた、というような形でした。

2.介助式車いす
1595年に描かれた絵に、スペイン王フィリップII世が痛風になり、
小さな車輪のついたいすに座っている姿が残っています。 
これは召使いの方などが押す介助タイプ車いすでした。

3.自走式車いす
1650年に自操式車いすが初めて考案されました。
豪華ないすの前方に大きな車輪がつけられており、後ろに大きめのキャスターがついている、前方大車輪タイプでした。現在の車いすは、前に小さい車輪で後ろが大きい車輪の造りの後方大車輪タイプが
主流ですが、当時は逆だったようです。
18世紀のはじめ頃から、ヨーロッパでは車いすが商業的に供給可能であったと言われております。

最初の動力付車いすは1912年、イギリスにおいて、エンジンを取り付けた三輪型が出現しました。
アメリカでは、1915年に開催されたパナマ太平洋博覧会の入場者の移動用として電動車いすが使われたそうです。障害者用というよりは病人の乗り物の手段として用意されたものでした。

5.折りたたみ機能
車いすにとってのもう一つの大きな変化をもたらしたのは、折りたたみ機構の発明です。 
障害児を持つニューヨークの商人が自分の車に娘を乗せて遠出するために折り畳み機構を希望しました。1914年に試作されていますが、折りたたみ方法は現在とは異なっていました。
現在、広く使用されている左右の折りたたみ機構は、1933年にアメリカのエベレスト&ジェニングス社により商品化されています。この折りたたみ機構の開発により車いす自体の改良も進み、身体障がい者の行動範囲は大きく拡大され自立の可能性が格段に高まったといえます。※※

以上が簡単な「海外の
車いすの歴史」になります。

海外では本当に「車輪イス」だったんですね(驚)


では、また次回  K

補足:1950年に自走式車いすを考案したのは、ステファン・ファルファという人物で、
   当時は障害者だけではなく、健常者も利用していたようです。


※※●車いすの前に…~5.折りたたみ機能まで:(株式会社ジェー・シー・アイ第4回車いすの歴史
   「海外編」)より引用

補足参考:ウィキペディア