(旧)自立生活センター・昭島の日常

東京都昭島市でひっそりと(笑)活動している福祉団体。地域で暮らす障害者の生活サポートや情報提供、移送サービスなどをやっています。

『どうして私、片づけられないの?』




今回選んだ本は、ちょっと新しいよ(笑)。
それでも2004年発刊。約一昔前なので、新しいと言うには憚られるかな?



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毎日が気持ちいい!
ハッピーマニュアル

気がつくと散らかっている部屋。
「靴下がないっ、携帯がないっ」
と会社に遅刻。
あ、大事な書類、
忘れてきちゃった……。

そのしんどい人生、
どうにかしましょう。




CIL・昭島の代表は、自称ADHDだ(笑)。
“自称”というのは、専門医の診断を受けた訳ではなく、自己の行動パターンなどから導き出した結果、ADHD的傾向があると自己診断したからだ。
本書によるとADHDとは、集中力、注意力、衝動性、多動性などを自分でコントロールしにくい「注意欠陥多動性障害」のことだそうだ。この中では、狭義のADHDではなく、広義でADHDタイプとし、それを「脳のクセ」という表現にしている。
ADHDタイプを解り易く説明すると、獲物を見つけると、狩るためにその一点のみに全神経集中する狩猟動物のように、行動をする時には他の事に気が回らなかったり、何かをしている最中に気にかかる別の事柄が現れると、そちらに集中してしまうなど、多角的に行動ができない人に多い症状らしい。
 

片づけられないというのは、何から手を付ければいいのか判らない。捨てられない。捨てるべき物かどうかの判断が付かない。捨てる物を判別しても、そもそも“捨てる”という決断が下せない。それでも物は増えていく。そしてやっぱり片づけられないという、堂々巡りの状態から引き起こされる事のようだ。
躊躇無くバッサバッサと物を捨てられる人も世の中にはいるが、多かれ少なかれ捨てられない人もいるのも事実。
実際自分も、割と“捨てられない”派だし(笑)。「脳のクセ」が極端にこだわり出したら、ちょっとヤバイかもしれないね。
 

また、「脳のクセ」は時間の流れを不規則にするようだ。
どう考えても無理でしょ?というような予定の立て方をしてしまう。深く考えず、何とかなるさと楽観視する。物事の優先順位を決められず時間だけが過ぎていく……。
例えば電車でどこかに行く際も、電車に乗っている時間だけを考えてしまい、乗り換えや電車に乗るまでや降りてから目的地までの時間を全く考慮に入れられないとか、スケジュールにちょっとでも隙間が空いていると、そこにできそうにない予定まで詰め込もうとするとか、余裕を持って立てたスケジュールのハズが、何に引っかかってしまうとそちらに集中してしまい、本来の予定が進まず、結局時間が足りなくなってしまうなど、通常の24時間を上手く使いこなせない。
基本的に“5分前行動”を心がけているので、これには当てはまらないので、ちょっと安心した(笑)。
 

更には、衝動的・感情的、こだわりな部分が度を超している場合も多々あるみたい。
「欲しい!」と思ってしまったら、それが本当に必要なのか、似たような物を持っているのではないか、金銭的に余裕があるのか等々……諸々の事を考慮できずに買ってしまう。
“買ってしまう”までは仕方がないとして、買って満足、しかもフルコンプ(笑)。必要なのは、その中の一部だけなのに。そして使わず、物だけが増える。もちろん捨てられない。最初に戻る(笑)。
こだわりも顕著で、良くも悪くも「適当=適切で妥当」と「適当=いい加減」ではいられない。
あれを持っていなければならない。コレが無いと不安。こういう時に必要な物は……と、バッグの中身は、これから旅行ですか?状態だったり。そのこだわりが、身の回りのあらゆる事柄・物に発揮されて、がんじがらめでどうする事もできなくなってしまう。

そして無限ループ。ああぁぁ。
 
 

本書では「脳のクセ」として語られるADHDは、一般的には先天性の障害であるとの認識であるが、衝動的に行動してしまったり、時間を有効に使えなかったり、物を捨てる捨てないで堂々巡りをしてしまう事は誰にでも起こりうると思うので、そういう意味ではADHDタイプ予備軍は多く存在しそうだ。
そういえば、倉庫代わりに使わせてもらっている実家の部屋が、荷物で1/3程埋まってきているなぁ……。ヤバイヤバイ。
 
 

最後に、気持ちよく暮らしていける15箇条がまとめられていた。
・観察自我を磨く・優先順位の整理・感情、衝動のコントロール・自己責任の意識・楽しく自分らしく……など。

だから、それができたら苦労しないんだけどね(笑)。
 
 
 

by:は