(旧)自立生活センター・昭島の日常

東京都昭島市でひっそりと(笑)活動している福祉団体。地域で暮らす障害者の生活サポートや情報提供、移送サービスなどをやっています。

『当事者主権』

当事者主権  中西正司 上野千鶴子



皆様、いかがお過ごしだったでしょうか?
「当事者の日常」担当のKでございます。


さて、私の読書感想文も、いよいよ(?)第3弾。

今回選んだ本は…コレです。


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今までの本より小さい新書版。



序章”当事者宣言”から始まるこの本は、CILの基本的な考え方
「私の事は、私が決める(自己選択・自己決定)」ということが
生きていくうえで、如何に大切かという事を書いています。


著者の1人である中西正司さんがヒューマンケア協会(八王子にある日本で最初のCIL)の
関係者ということもあり、日本における自立生活運動の歴史と運動の成果、障害“当事者”が
地域で自立生活を送る際、CILが“出来ること”等が色々書かれているのですが・・・・

自立生活運動の歴史はともかく、成果やCILに関する文章は「自画自賛!?」
と思ってしまうほど自信というか、誇りに溢れているのです。
自分にそれ程自信の無い私は正直“当てられて”しまいました。

特に、CILについては『利用者(障害当事者)の考える自分らしい生活の為に
“なんでも”対応できる体制を整えています』というイメージを受けました。(あくまで、個人の感想です)
もし、私がCIL・昭島を知る前にこの本を読んでいたら…

ぁぁぁ・・・お・恐くて、か・書けないぃぃぃ(笑)


障害当事者が自分らしく生活する手段として、CILの利用と共に
この本が発行された2003年当時の障害者福祉制度だった
支援費制度を積極的に利用することを薦めています。
現在は無い制度のことなので、細かい内容は書きませんが、一言でいえば

「支援費を使えば人生バラ色だよッ」といった感じでした。


先日CIL・昭島の事務所でこの話をした時、

代表「あの頃は(支援費で)イケイケ・ドンドンだったんだよ」
私「なるほど…」
代表「支援費バブルだったんだよ」

という会話になりました。


この他には、上野千鶴子さんの分野である女性の問題やレズビアン等の
同性愛の人達、高齢者の当事者主権についても書いています。

その中で、比較的当事者運動が進んでいる女性の問題に比べて
高齢者・同性愛者の当事者運動は“これから”であり、運動を展開していくうえで
“障害者運動”が参考になると書いているのです。
私はコレを読んで「ちょっと持ち上げすぎじゃないかなぁ」と思ってしまいました。


そして最後に
「男性健常者(非障害者)中心の社会に適応できない社会的“弱者”だけが
当事者なのではなく、現代社会に生きる人達全員が当事者である」として

「みんなが“当事者主権”について考える事が重要」と結論付けています。


う~ん、私も自分が障害者じゃなかったら、当事者主権なんて考えもしなかっただろうなぁ…。





では、また次回  K