(旧)自立生活センター・昭島の日常

東京都昭島市でひっそりと(笑)活動している福祉団体。地域で暮らす障害者の生活サポートや情報提供、移送サービスなどをやっています。

障害者権利条約 批准記念特別フォーラム

皆様、いかがお過ごしだったでしょうか?
「当事者の日常」担当のKでございます。


CIL・昭島の事務所を訪れたある日、
職員から、プログラムと申込書を1組貰いました。


プログラムと申込書です。


プログラムのタイトルには
『障害者権利条約 批准記念特別フォーラム』
書いてあります。開催日時は3月10日(月)の午後1時から。
会場は、千代田区永田町の衆議院第一議員会館です。

去年(2013年)の9月4日に、今回の会場がある同じ千代田区永田町で、
『このままで障害者権利条約は批准できるのか~基本合意、骨格提言にもとづく総合福祉法の実現を~』
という院内集会がありました。

私は、この集会にも参加していたので、事務所でプログラムを
貰った時、単純に「主催者も会場も前回と同じだろう」と思っていたのですが、
自宅に帰って前回の資料と見比べてみると…

会 場:前回⇒参議院議員会館

     今回⇒衆議院第一議員会館

主催者:前回⇒障害者自立支援法訴訟の基本合意の完全実現をめざす会
         障害者自立支援法違憲訴訟全国弁護団

     今回⇒国連障害者の権利条約推進議員連盟
         日本障害フォーラム(JDF)

全然、違ってました!

しかし、会場の場所は…



画像では分かり難いですが、目と鼻の先です。


ちなみに、地図は前回と同じモノでした(笑)。


前置きが長くなりましたが、
障害者権利条約 批准記念特別フォーラムに参加しました。


今回の資料は数多く、


この袋の中に…






この様なモノが入ってました。(一部)



内容は、3部構成で、

第1部 国連障害者の権利条約推進議員連盟総会(記念セレモニー)
第2部 パネルディスカッション「推進への期待と課題」
第3部 「東日本大震災から3年 いま求められるインクルーシブな復興」

という形で進められました。


第1部は、まさにセレモニーと言った感じでした。

国連障害者の権利条約推進議員連盟会長
外務大臣 高村正彦氏を始め、議員連盟の顧問・役員等
国会議員の障害者権利条約批准までの経緯や感想を中心に、
JDF代表の挨拶、外務省、内閣府の障害者権利条約に対する
取り組みの報告がありました。

国会議員の中には、現・防衛大臣や前・社民党党首といった顔ぶれも並び
会場は大変盛り上がっていました。

国会議員、JDF代表、外務省・内閣府の職員が異口同音に言っていた…
「障害者権利条約批准がゴールではなくスタートだ」
という言葉が強く印象に残っています。


第2部は障害者権利条約推進への課題が主な議題になりました。

参加したパネリストは身体障害、聴覚障害発達障害の各団体の中心人物や、
福祉新聞の編集者といった人達で、各々の立場から話される障害者の現状などは
私も日々実感している事から、今まで知らなかった事まで、多岐にわたっていました。

中でも、日本発達障害ネットワーク副理事長 藤堂栄子氏の…

発達障害はまだ、殆ど知られていません」という発言には私自身も
“その1人”として非常にドキリとしてしまいました。

権利条約推進に限らず、障害者の現状等も含めて、如何に『伝えるか?』
『知ってもらうか』が大切であり、その為に、自分に何が出来るか?を考え、
行動する事が、今後の課題というこで、第2部は終了となりました。


第3部はJDFやJDFの関係団体、またJDF等と連携して被災地支援を
行なっている多数の団体の活動報告と被災自治体(岩手県陸前高田市宮城県三陸町)の
職員による、現状と復興対策等の話がありました。

第3部ではショックを受けた言葉が3つ出てきました。

まず1つは「障害者の死者数は健常者の2倍」というモノです。
私は今までテレビ等で死傷者・行方不明者数を見る度に
「この中に障害者は、どれ位いるんだろう?」と考えてはいたのです。

しかし、今回“2倍”というシンプルな言葉で改めて被害を聞いた時、
ようやく、障害者の被害を実感したと同時に、自分の浅はかさというか、
甘さを思い知った気がしました。

2つ目は「震災2日目、避難所から妊婦・乳児を連れた母親・障害者の姿が消えた」
理由は“避難所に居ると迷惑になる、居場所が無い”から……。
「もし、自分がそうなったら、どうするだろう?」と悩みながら話を聞いていました。

そして最後は「今必要な支援、明日必要な支援、1週間後必要な支援と考えればインクルーシブ(※)とか
ノーマライゼーションという言葉は要らなくなるのではないか」です。

これは、障がい者自立センターかまいし理事長 山田昭義氏の言葉です。
岩手県陸前高田市の復興計画の話の中で「ユニバーサルという言葉の要らない復興をめざす」と
言っていたのを受けての言葉でした。

山田さんは、被災地支援の一環として、発電機を2台送りました。
後日、その内の1台が“携帯電話の充電”に使われているのを知ったそうです。
阪神大震災の時には無かった事だと言っていました。

以上の経験から「支援も、障害も“状況によって変化する”」と考える様になったと話し、
「今必要な支援、明日必要な支援…」の言葉を何度も繰り返し力説されていました。


今回、フォーラムに参加して、改めて自分の障害や周辺の状況について
知る事・考える事・伝える事の難しさと重要性を痛感しました。

皆さんは、どう考えますか?



インクルーシブ:意味はノーマライゼーションとほぼ同じ





では、また次回  K