(旧)自立生活センター・昭島の日常

東京都昭島市でひっそりと(笑)活動している福祉団体。地域で暮らす障害者の生活サポートや情報提供、移送サービスなどをやっています。

障害者の子育て事情 その2

「障害者の子育ての学習会」で発表した、CIL・昭島の障害当事者職員で二人の男の子のお父さん、カヤの体験です。

エピソード1の記事はこちら


エピソード2:言語障害の壁

 障害の無い人でもいろいろな育児の壁があると思いますが、私には障害者ならではの壁、言語障害の壁もありました。
 私はトーキングエイドや文字盤・指文字などで自分の言葉を伝えます。そのため、子供たちとコミュニケーションをとる時に、介助者を通して伝えなければなりません。介助者にイメージがうまく伝わらないと、意図した事とは違うニュアンスで子供に伝わってしまい、困りました。

 朝、子供たちが学校に遅刻しないように、必死に起こそうと思っているのに、介助者は優しく声をかけるだけで、時間ぎりぎりになってしまって慌てたこともありました。また、おもちゃをおねだりされた時に、こちらはなるべく安い物を買おうと思っているのに、指示がうまく伝わらず、結果高いおもちゃを買う事になってしまって困った事もありました。


エピソード3:家庭以外の場所では…

 親が障害を持っている事で子供たちがいじめられないか心配でした。しかし、それは環境に恵まれたのか、子供たちの努力もあってか、そういった事はありませんでした。
 また、自分が子供と一緒にいても、介助者の方が親だと勘違いされてしまい、なかなか親として見てもらえません。兄弟?などと勘違いされてしまう事もあります。障害者が育児をする事が、一般的にまだ認知してもらえていないのが残念です。


親としての思い

 そんな感じでいろいろと困ったのだから、誰かに相談などをすればよいのですが、同じ障害を持つ人でも、育児をしている人はなかなかいないので相談もできず、男の人の性質とでもいうのか、育ててもらった親に相談する事もしませんでした。

 昔、親に連れて行ってもらったマクドナルドのプレイランド。自分も子供たちを連れて行くようになって、それを楽しいと思うようになりました。親もこのような気持ちで自分を連れてきてくれたのかと思うと、親と同じような子育てをしている自分がいる事を感じ、育児というのは面白いものだなあと思いました。