そっとしておいてくれたのね(笑)。 前編
一応、結果報告。
……誰に対して???
……誰に対して???
続々と図書館の講堂に集まる受験者たち。
係員からの説明があり、順次試験会場の方へ移動していく。
控えの教室に移動し、実技試験の課題文が配られた。
係員からの説明があり、順次試験会場の方へ移動していく。
控えの教室に移動し、実技試験の課題文が配られた。
『金子薫さん(80歳)は左上下肢に麻痺があり、歩行はできません。 |
起き上がりと立位には一部介助が必要です。 |
金子さんは、ポータブルトイレでの排泄を希望しています。 |
ベッドで仰臥位になっている状態からポータブルトイレに座るまでの介助を行って下さい。 |
なお、金子さんは、あなたの介助に同意しています。 |
金子さんは「はい」または「うなずく」のみです。 |
(モデルはズボンの下にスパッツをはいていますが、下ろすのはズボンだけです) |
試験時間は5分以内です。』 |
さんざん待たされた挙げ句に出題された課題は、全く経験の無いポータブルトイレ。
ここにポータブルトイレがあるから、こうやって立たせて、左側から支えて歩行介助して……
?????
介助の段取りをイメージトレーニングをしている時に、課題文が何かおかしい事に気付いた。
金子さん、歩けないじゃんッッ!!!
試験を行なう教室の前で、また待たされる。
ガタイの良いオバチャンがやってきた。
むむむ??
この女性は何者???
この女性は何者???
あっ!金子薫さんだ!!
ただでさえ緊張している実技試験の時に、うら若き女性がモデルさんだったために試験に落ちたという話を聞いた事があるので、このオバチャンがモデルで少しホッとした(笑)。
いよいよ僕の順番が回ってきた。
目の前にポータブルトイレ、その奥にベッド。
ベッドには先ほどの金子薫さんが横になっている。
ベッドには先ほどの金子薫さんが横になっている。
そしてベッドの足側の柵には青いタオルが掛かっている。
その青色がやたら浮いて見えた……。
その青色がやたら浮いて見えた……。
試験開始の合図とともに、イメージトレーニング通りに動き…出す……ハズが………。
後編につづく
by:は