(旧)自立生活センター・昭島の日常

東京都昭島市でひっそりと(笑)活動している福祉団体。地域で暮らす障害者の生活サポートや情報提供、移送サービスなどをやっています。

障害者運動の歴史と現在~障害者運動から見た障害児教育のありかた~

皆様、いかがお過ごしだったでしょうか?
「当事者の日常」担当のKでございます。


CIL・昭島の事務所を訪れたある日、
職員からチラシを1枚貰いました。



これが実物です。


チラシを貰い1枚目を見た時は、正直行くつもりは無かったのです。
しかし、講習会の講師である関根義一氏の経歴を記した2枚目の“ある一文”を
見つけた瞬間、私の気持ちは180度変わりました。
その文とは…

・昭和36年 就学時「就学免除」実質上入学拒否される。

という文です。特に注目したのは「就学免除」の部分でした。



私が注目した部分です。


小学校入学直前に障害者施設に入所し、施設に隣接していた
養護学校の小学部に入学した私は、就学免除を受けた経験がありません。。

後年、養護学校から普通学校に編入する際、市の教育委員会との話し合いが
難航して、1学期~夏休みの間、学校に行っていなかった時期はありましたが、
就学免除とは違いました。

かなり、前置きが長くなりましたが(笑)、上記のこともあり、参加する事にしたのです。


国立市にある、東京都多摩障害者スポーツセンターにて行われました。



当日の資料でございます(笑)。


学習会はタイトルどおり、障害児・者教育に関する運動の歴史を
振り返る話から始まりました。

1947年(昭和22年)に現在の義務教育制度がスタートしながらも、障害児は
障害等を理由に就学困難とされ、長い間、就学猶予・就学免除という形で排除されていました。

義務教育制度がスタートしてから22年後の1969年(昭和44年)、埼玉県在住の障害者
八木下浩一氏(当時26歳)が地域の小学校に対して行った就学運動が、教育に関する最初の運動だったと
関根さんは話してくれました。
彼は3年後、埼玉県川口市立芝小学校に3年生として入学をします。

そして、障害児の修学問題の代表的人物、金井康治氏の紹介もありました。
(※私は今回、初めて知りました。 恥)

彼は、養護学校から弟も通う小学校に転入を希望したが叶わず、校門の前に机を置き
ボランティアの学生に勉強を教わるという自主登校を始めます。

この行動に対して学校は…

・ボランティアの学生が校舎内のトイレを使用⇒不法侵入として警察に通報現行犯逮捕
・学校の周りに5億円の費用をかけ3mの金網フェンスを設け学校から締め出す(PTA会長)

等の行動を取ったそうです。

現代なら、不法侵入での通報も仕方ないかも知れないが、
1970年・80年代の当時は行き過ぎた行為だったという解説もあり、
私も同感に思いながら話を聞いていました。

1977年(昭和52年)~1982年(昭和57年)の5年間に亘る闘いの末、
金井さんは地元の中学校に入学を果たします。

ただ、金井さんの話はコレで終わりではありません。

彼の転校運動は、次第に学生運動や部落解放運動の一環として扱われ、
金井さん自身も、本人の意思とは関係なく、運動の象徴として、後世の指導者にと
周りの大人から期待される様になって行ったそうです。

こうした事が原因なのか、金井さんはストレスから深酒を繰り返し、
1999年(平成11年)9月、慢性アルコール性肝障害で
急死してしまいます。30歳の若さでした。

関根さんは、友人として彼の飲酒を止められなかった事を、
今でも後悔していると語っていました。


関根さんの話は、この後、関根さん自身が経験した
就学拒否~養護学校での生活に移っていきます。

関根さんが就学拒否を体験するのは、
1961年(昭和36年)の小学校入学直前でした。
学校は当初、関根さんの受け入れに前向きで、
専用の机等も用意されていたそうです。

ところが、入学式直前、学校から『就学免除(拒否)』
言われてしまいます。理由を尋ねると「学校が体育の指定校になった。
障害者がいると“減点”される」とのことでした。

関根さん達は地元の他の学校にもあたってみましたが『就学免除』になった事を
理由に、全て断られました。

1年後、埼玉県の親元を離れ、板橋の障害者施設に併設された
養護学校に入学。その後、埼玉に養護学校ができたので、中学2年生に編入します。
埼玉にできた養護学校は、新設校の為、教師も、生徒も普通学校から移動した人達が多く、
今までの養護学校では経験した事の無い出来事が数多くあったそうです。

中でも、私が驚いたのは『学校行事である山でのキャンプに車イスが参加できない』。
しかし、この話を聞いた、関根さんのお母さんの行動が凄かった!!

な・ん・と!!!

キャンプに参加できなかった関根さんをはじめとする車イスの
生徒たちを集め、学校と同じ日、同じ場所でキャンプを開催してしまったのです!!!!
いや~本っっ当にすごい(拍手!!)

休憩を挟んでの質疑応答の後、フリートークとなったのですが…

もう!関根義一さんと、関根さんと共に、長年障害者運動を闘い、
今回会場に集まった“戦友”達の独壇場になってしまいました(笑)。

先輩方の話は、参考になるモノから、正直、くだらないと思うモノまで色々あって
とても楽しかったです。


今回、学習会に参加して、就学免除(拒否)の問題について
少しでも知る事ができた事は、私にとって、大変有意義なモノになりました。

最後になりましたが、学習会の後、撮った今回の会場です。











では、また次回  K