『ああ エレベーター 障害児をもつ母親の駅舎改善運動奮闘記』
昔、東大和市に住んでいた時、まだ福祉業界に足を突っ込むよりも何年も前、小川駅にはエレベーターがあると聞いて、何故あんなターミナル駅でもない、小さな駅にエレベーターがと疑問に感じていたが、この本を読んで納得した。
近隣に養護学校などの福祉施設が多く点在し、そこに通う子供の親や学校職員らの働きかけで、設置が実現したようだ。
近隣に養護学校などの福祉施設が多く点在し、そこに通う子供の親や学校職員らの働きかけで、設置が実現したようだ。
電車に乗りたいという子供の、小さな希望を叶えるために、長年に渡り奮闘した者たちの記録である。
……ちなみにこの本は、1986年発行。さ、30年近く前の本なんだ。
一見帯が巻いてあるように見えるカバーに書いてあるのは、こんな内容。
「車椅子で電車に乗りたい!」この素朴な願
いを実現させた母親たちの運動の記録!
障害者ばかりでなく、ハンディキャップをもつすべての人びとの
ためのエレベーター設置への道。
“障害者も暮らせるまちづくり運動”の前進を祈って刊行!
主な内容
第一章 障害者が暮らすまち
東京・小平市――
第二章 それはPTAから始まった
小平養護学校での諸運動――
第三章 車椅子で電車に乗りたい
エレベーター設置運動に――
第四章 誰もが乗れるエレベーター
「障害者専用」をはずす運動に――
第五章 運動の前進のために
私たちのとりくみをふりかえる――
第六章 障害者がくらせるまちを
みんなで理念を共有するために――
今でこそ駅にエレベーターがあること、更にそれは誰でも使えることは当たり前になりつつあるが、この当時は凄く特別なことだったのであろう。
親の会や学校が中心になって作られた『西武鉄道・小川駅の改善をすすめる会』が地域住民や行政を巻き込み、念願叶って設置されたエレベーター。
署名活動から始まって、誰でも使えるようにと老人会などの協力も得て、小平市長を含む市議会やひいては都議会の後押しがあり、財源の一部も助成団体の寄付で賄うという、全てが上手くいきそうな条件が揃った。
しかし完成したエレベーターは、“障害者専用”として多くの制限が付けられてしまった。
設置者の鉄道会社が、管理する上で支障になることを排除した結果だ。
これには勿論納得できない『すすめる会』のメンバーだが、制限撤廃を強く要望するも受け入れられないどころか、その交渉の場にすら立たせてもらえない。
その頃にはもう家を出ていて、同駅を利用していなかったので、いつエレベーターが設置されたのか全く知らなかったなぁ……。
by:は