大災害の中、障害を持つ人々に何が起きたのか? 講演会 前編
皆様、いかがお過ごしだったでしょうか?
「当事者の日常」担当のKでございます。
さて、今回も6月22日(土)に行なわれた
『大災害の中、障害を持つ人々に何が起きたのか?』の
上映会&講演会の続きです。
前回は、映画「逃げ遅れる人々」上映会の感想を書きました。
そこで、今回は第2部の講演会の感想を2回に渡って書こうと思います。
講演会は、被災地障害者センター石巻の阿部俊介氏と
いわき自立生活センターの小野和佳氏の2人が講師として
被災をした障害当事者の体験を話してくれました。
前編は阿部氏。講演のテーマは…
「災害時、障害者はどう生きのびたか」
……というモノです。
阿部氏の話は、3月11日デイサービスに行っていた所から始まります。
2時46分の地震の発生時様子は、前回と同じ事を書いてしまいますが、
本当に“私の想像を超えていました”。
地鳴りが聞こえた次の瞬間…!
マグニチュード9.0という揺れにスタッフはパニック状態。バタバタと転倒する姿を
目撃したそうです。そして、車イスの利用者も後ろにひっくり返ってしまうほどでした。
阿部さん自身も後ろに倒れかけたそうですが、当日デイサービスのゲームで使っていた卓球台に
足を挟んだおかげで(激痛はあったものの)事無きを得たと言っていました。
地震が収まり周囲を見ると、窓ガラスは割れて床に散らばり、
停電した影響で非常灯が点いていたそうです。
阿部さんは自宅に居るお母さんに連絡をしようと電話しましたが、繋がらない状態でした。
そして、外から今まで聞いたことのないサイレンが聞こえてきました。
ソレを知った阿部さんは、焦ったものの内心は「こんな所(内陸)まで津波は来ないだろう」と
甘く見ていたのだそうです。
陸地までの被害は無かったからでした。
その直後、迎えに来たご両親と車で親戚の家へ避難する際、渋滞している道路や
所々陥没している道、停電し、倒れてしまった信号機などを目撃して地震の被害を実感すると共に、
遅れて避難してきたお兄さんから、瓦礫や車を巻き込みながら、後ろから迫ってくる津波の様子を
聞いたそうです。
親戚の家に避難したのは、3家族12人で半年間の避難生活でした。
トイレに使ったと言っていました。
震災から1か月後、電気が通った時、全員で拍手をしたという話には素直に
感動してしまいました。
では、また次回後編に続きます。 K
上映会編は こちら
講演会後編は こちら