(旧)自立生活センター・昭島の日常

東京都昭島市でひっそりと(笑)活動している福祉団体。地域で暮らす障害者の生活サポートや情報提供、移送サービスなどをやっています。

大災害の中、障害を持つ人々に何が起きたのか?  講演会 後編

皆様、いかがお過ごしだったでしょうか?
「当事者の日常」担当のKでございます。



さて、今回も6月22日(土)に行なわれた
『大災害の中、障害を持つ人々に何が起きたのか?』
講演会についての後編です。

講演会は、被災地障害者センター石巻の阿部俊介氏と
いわき自立生活センターの小野和佳氏の2人が講師として
被災をした障害当事者の体験を話してくれました。

後編の小野氏の講演のテーマは…

「被災障害当事者から見た、被災地支援」

……というモノです。


いわき自立生活センターの職員である小野和佳さんの講演は
“事業者の立場”で語られていたと思います。
パワーポイントを使ったスライドを見ながらの講演でした。

小野さんは、いわき自立生活センターの事務所で地震に遭遇したそうです。
事務所のあった地域は、断水はあったものの電気は通っていました。
しかし当時、事務所にはテレビやラジオが無く、手動充電式の懐中電灯付きラジオで
辛うじて、情報収集をしたと言っていました。
それと同時に“もし、電気が使えなかったら…”という事も、
自立生活センターの利用者(障害者)に起こった実例を交えながら、
説明をしてくれました。

その中で…
スマートフォンや携帯電話だといざと言う時、連絡が取りづらい。
②インターネットなどパソコンが出来なくなる。
③(マンション等に住んでいる場合)エレベーターが
停止して移動や避難が困難になる事がある。

などなど、色々ありましたが、
私が1番気になったのは……

④玄関で段差解消機を使っている場合、停止して避難が出来なくなる。

……でした。と言うのも、私は現在自立生活をしていますが、
自宅の玄関には“段差解消機”が設置してあるのです。

画像(後で貼ります)

ま・さ・に・!
私の事を言っているではありませんか!

小野さんが解決方法として「予め、自前のスロープを用意をしておきましょう」と
言った時、私は「そうか!」と思う反面「自前のスロープってどれくらいするんだろう?」と
少し考え込んでしまいました。(あまり高いと買えないので…)

それから、第1部の映画にも出て来た原発事故について…

いわき市原発事故以降、日に日に人が減っていったそうです。
それは、訪問看護が必要な人のもとに向かう看護士も例外ではありませんでした。
暫らくの間は工夫をして対応していたのですが、流石に限界がありました。

小野さん達は『医療等が必要な人の為に』『全介助が必要で、緊急を要する方の為に』
『物資をいわきへ定期的に届ける為に』ということを大きな目的として
“集団避難”を決意したと言っていました。

ただ、集団避難の為には課題がありました。

①ガソリンが無い。 
②避難する人数が障害者や介助者、家族等を含めると
50人以上になるので、避難場所の確保は大丈夫か?

…という2点でした。

2011年3月16日、小野さん達が全国自立生活センター協議会のメーリングリスト
上記の課題2点、ガソリンの調達と避難場所の確保を依頼すると…
3時間後には「東京都新宿区にある新宿区障害者総合福祉センター
(戸山サンライズ)に50人分確保できました」と言う連絡があったそうです。

ガソリンについても、3月17日には広島の自立生活センターから200リッター、
3月18日は静岡の自立生活センターから30リッターの量が届きました。

そして、最終的には利用者8名、ヘルパー10名、職員3名、家族13名の
合計34名が避難したそうです。
避難先での生活の様子や体験などを時には笑を交えながら、
楽しく話してくれました。

最後に、現在のいわき市の様子として
駅前やデパートなど人が大勢集まる場所には
放射線量を測るためのポールの様な“線量計”が立っているという
話と共に見た線量計のスライドは、原発事故が“終わっていない”ことを
実感するには充分でした。


阿部さんと小野さんの両名ともに…
日常生活における“避難場所の確認や避難訓練の実施”と
災害時(非常時)“仲間や家族が如何に大事か”
と言うことを、強く訴えていました。

…もし、外出先で“1人で”災害等に遭ったら、冷静に行動できる
自信が私はありません。

皆さんはどうですか?





では、また次回  K





上映会編は  こちら

講演会前篇は  こちら