(旧)自立生活センター・昭島の日常

東京都昭島市でひっそりと(笑)活動している福祉団体。地域で暮らす障害者の生活サポートや情報提供、移送サービスなどをやっています。

障害者に対する様々な差別の学習会 その1

皆様、いかがお過ごしだったでしょうか?
「当事者の日常」担当のKでございます。


8月28日(木)、あいぽっく(保健福祉センター)で
このブログでも、以前からお知らせしていた…

CIL・昭島企画
『障害者に対する様々な差別の学習会』の第1回が、開催されました。

今回のテーマは

「障害児(者)教育についての差別」

です。







講師の尾上浩二さん。


尾上さんは、自身の経験・体験を交えながら、
国が今年の1月に批准した障害者権利条約と、それに伴う障害者基本法
及び障害者差別解消法に沿った“合理的配慮”によって
障害者、健常者が“同じ場所で”学ぶ「インクルーシブ(※)教育」の大切さを
実に分かりやすく話してくれました。

特に講演の前半、尾上さんが経験した・・・

障害者施設入所→養護学校(特別支援学校)入学→施設退所&普通学校入学

の話は、私も同じ様な体験をしているので、終始頷いて聞いていました。
中でも、「健常者の同級生と買い物に行って、自分の世界が広がった」という言葉に
私自身の“その時”を思い出して1人でニヤニヤしてしまいました(笑)。

今回、尾上さんの講演は前半と後半に分かれていて、
その間に…

体験者発表という形で松嵜ゆかり氏の話しがありました。






体験者の松嵜ゆかりさん。


立川在住の松嵜さんは、障害者の娘さんを地元の小学校入学させる為に、
立川市教育委員会と何度も話し合った事や、娘さんが、中学に入学する際、
今度は、当時の立川市長・全立川市議に掛け合って、学校にエレベーターが設置されるまでの
出来事等を当時を思い出しながら話していました。

「沢山の人達の協力があったから実現出来ました。」という言葉が印象に残っています。

松嵜さんの話を聞きながら、私が養護学校から地元の学校に転入する時、
私の両親も何度も昭島市教育委員会と話し合っていた姿を思い出し、
少し泣きそうになりました。

学習会の後半は、再び尾上さんによる講演です。

●直接差別の事例
 ・保育所の面接時「障害児の母は働かないで自分の子供の面倒を見なさい」と言われた。
●間接差別の事例
 ・地方自治体の一般採用試験で、試験申込用紙、受験票に自筆する事、
  活字印刷物を読める事、電話対応や面接が可能な事を要件としている。
●合理的配慮に欠ける事例
 ・職場で、高い場所にある物が取れないとお願いしても
  「給料を貰っているなら、他の人と同じ様に自分でやれ」と言われた。

など、具体的な障害者に対する差別の事例を
パワーポイントを使ったスライドで示した後、2011年8月に改正された障害者基本法
障害者差別解消法等の教育の合理的配慮に関する条文についての解説がありました。

地方自治体の教育における合理的配慮の取り組みの1つとして、
東大阪市の就学手続きが紹介されました。

それまでは…

就学時健康診断(※2)
    ↓
障害児に該当
    ↓
特別支援学校への入学通知
    ↓
特別支援学校入学

というのが原則で、

就学時健康診断(※2)
    ↓
普通の小学校に通えるケースは
基本的に“例外”でした。


東大阪市の場合…

就学時健康診断(※2)
    ↓
障害児に該当
    ↓
普通の小学校への入学通知
    ↓
普通の小学校への入学

というのが原則で“例外”では無いのです。
勿論、本人や保護者の希望で特別支援学校入学を“選択”する事もできます。

尾上さんの昭島市など地域に根差した合理的配慮が広がるのが理想です」

という言葉を最後に学習会は終了しました。


今回の学習会は、尾上さんの話も、松嵜さんの話も他人事とは思えませんでした(笑)。
私自身の体験も含め、障害者と健常者が“同じ場所で”学ぶ大切さを改めて実感した1日でした。





では、また次回  K


※1:インクルーシブ意味 抱含。含まれる。包括的な
※2:就学時健康診断は「必ず受けなければならない」モノではありません。


おまけ

「当事者の日常」学習会記事恒例!正真正銘資料画像!!

今回の資料はこの袋に…






尾上さんの資料と




松嵜さんの資料が入っていました。