(旧)自立生活センター・昭島の日常

東京都昭島市でひっそりと(笑)活動している福祉団体。地域で暮らす障害者の生活サポートや情報提供、移送サービスなどをやっています。

映画『人生、ここにあり!』上映会

皆様、いかがお過ごしだったでしょうか?
「当事者の日常」担当のKでございます。



5月某日、CIL・昭島の代表から1枚のチラシを貰いました。

市民フォーラム2015
 住みたいまちあきしまを目指して
5月30日(土)『人生、ここにあり!』上映会

のチラシでした。





コレは上映会のチケットです。




 1978年、イタリアでは、バザーリア(バザリア)法(※1)の制定によって、次々に精神病院が閉鎖されました。
「自由こそ治療だ」という画期的な考え方から、それまで病院に閉じ込められていた患者たちを地域に戻し、
一般に暮らせるようにしたものです。この作品は、そんな時代に起こった実話を基に誕生した物語です。

 労働組合員のネッロは、正義感の強い熱血男。1983年のある日、問題を起こしてしまった彼は、
組合から異動を命じられます。ネッロが行き着いた先は、精神病院を出た元患者達の協同組合でした。
バザリア法によって病院を出た彼らは、自由な生活を送るどころか、手紙の切手貼りの作業等を無気力に
続けるだけの毎日。

 そんな状態を見かねたネッロは、元患者の組合員達に…

「“施し”ではなく“自分で仕事をしてお金を稼ぐ”」

事を訴えます。

最初は、ネッロの言葉に耳を傾けなかった組合員達も紆余曲折の末、
彼と共に行動する様になります。

そうして“床貼り”の仕事を見つけますが、失敗の連続。
ところが、あるアクシデントをキッカケに……

と、いうのが映画のあらすじです。

映画の冒頭、元患者の精神障碍者達は、とても暗いイメージで登場します。
しかし、話が進むにつれ、楽しく、明るい印象に変化していくのです。
イタリア映画という事もあり、全体的に“勢い”とか“熱さ”みたいなモノを感じた映画でした。

ただ、個人的に気になったのは…

悪役だった精神科医映画の終盤に突然味方になって再登場

した事です。

ネタバレになるので、詳しくは書きませんが、
私としては、いまだに違和感があったりします(苦笑)。

後日、この事をCIL・昭島の代表に話すと…

代表「そういう“時代”だったからねぇ…」

という言葉が返ってきましたとさ。


今回、この映画を見るまで私はバザリア(バザーリア)法の存在を全く知りませんでした。
現在、精神科病棟転換型居住系施設の話が出ている(※2)日本とは違い、イタリアでは約40年も前に
こんな法律が存在していたのを知って、大きなショックを受けた1日でした。




オマケ

映画の公式ホームページがあります。


※画像はモバイル版のモノです。





では、また次回  K


※1:バザリア(バザーリア)法とは
1978年にイタリア全土で制定された世界初の精神科病院廃絶法で、最初に精神病院廃絶を唱えた精神科医
フランコ・バザリアの名前にちなんで呼ばれている。精神科病院への入院、再入院を禁止し、予防や治療は地域の
精神保護サービス機関で行い、内容は患者の自由意思に委ねるという法律。

※2:詳しくは、2014年6月30日分ブログ記事参照。